事務所運営の実務
タレント事務所がキャスティング案件を増やす方法
案件の入口は大きく4つあります。それぞれ、取れる量も、条件も、かかる手間も違います。どれが自分の事務所に合うのかを決められるよう、現実のところを整理しました。
案件が来ない事務所に共通していること
所属タレントの質の問題ではないことが、ほとんどです。
案件が足りないという相談を受けると、多くの場合、原因は次の2つのどちらかに寄っています。
1. 案件が手元に届くころには、条件が削られている
ひとつの募集が、制作会社からキャスティング会社へ、そこから代理店へ、さらに別の代理店へ、と渡っていくことがあります。間に入る会社が増えるほど、事務所に残る出演料は薄くなります。同じ仕事でも、どこで受け取るかで条件が変わるということです。
2. 届いた案件に、その日のうちに返せていない
キャスティングは早い者勝ちになりやすい仕事です。募集を見てから、所属タレントの資料を探し、プロフィールを整え、1人ずつ応募する——この作業に半日かかると、返す前に締め切られます。案件の数を増やす前に、返すまでの時間を短くするほうが効くことがあります。
案件の入口は4つある
それぞれ、向いている事務所の規模が違います。
入口1:制作会社・広告主へ直接営業する
いちばん条件が良くなる入口です。間に会社が入らないぶん、出演料もそのまま残ります。一方で、窓口を見つけて関係を作るまでに時間がかかり、担当者が替わると途切れます。関係を絶やさず持ち続ける人手がある事務所に向いています。
入口2:キャスティング会社に登録する
案件が向こうから来るようになりますが、来るかどうかは相手の記憶と手元のリスト次第です。登録して終わりにせず、所属タレントの近況を定期的に送り続けられるかで差が出ます。登録先が増えるほど、送る手間も増えます。
入口3:代理店・他事務所からの又受け
すぐに数が出ます。始めるのもいちばん簡単です。ただし、間に入った会社のぶんだけ条件が下がるので、数は出ているのに利益が残らない、という状態になりやすい入口でもあります。どこで受けたかを案件ごとに記録しておかないと、あとから検証できません。
入口4:案件配信サービスを使う
一次に近い案件がまとめて届くタイプのサービスです。探す手間と、応募する手間を同時に減らせるのが利点で、月額の固定費がかかります。案件の数ではなく、届いてから応募し終わるまでの手間で選ぶのが、失敗しにくい見かたです。
4つを並べて比べる
自社の人手と、いま足りていないものから逆算してください。
| 入口 | 条件 | 出てくる量 | かかる手間 | 向いている事務所 |
|---|---|---|---|---|
| 直接営業 | いちばん良い | 少ない | 大きい(継続) | 営業を専任で置ける |
| キャスティング会社 | 中くらい | 相手次第 | 中くらい(送り続ける) | 所属が増えてきた |
| 代理店・又受け | 薄くなりやすい | 多い | 小さい | まず数を作りたい |
| 案件配信サービス | 一次に近いほど良い | 多い | 小さい(月額がかかる) | 人手を増やさず数を増やしたい |
今週から着手できること
順番に効きます。上から3つだけで構いません。
- 案件の入口を記録する。直近3か月の案件を、上の4つのどれで受けたかに振り分けます。1件あたりの出演料を入口ごとに平均すると、どこが薄いかがその場で見えます。
- 所属タレントの資料を1か所にまとめる。応募のたびに探しているなら、そこが返信を遅らせている犯人です。プロフィール・宣材・実績を同じ場所に置くだけで、応募にかかる時間が変わります。
- 「見たけれど応募しなかった案件」を数える。理由が「間に合わなかった」なら手間の問題、「条件が合わなかった」なら入口の問題です。打ち手が変わります。
- 登録済みのキャスティング会社に、近況をまとめて送る。新規開拓より先に、すでに関係のある相手を起こすほうが早く返ってきます。
- 月額の固定費を払う入口を1つだけ試す。複数を同時に始めると、どれが効いたか分からなくなります。1つに絞り、3か月後に入口ごとの平均出演料で判断します。
KAMITEについて
入口4にあたるサービスです。
KAMITEは、代理店を何社も経由する前の一次案件を、事務所のLINEにまとめてお渡しするサービスです。所属タレントの名簿を登録しておけば、届いた案件にチェックを入れるだけで複数人まとめて応募できます。探す手間と応募する手間の両方を減らすことに寄せた作りにしてあります。
料金は月額100,000円(税込)・初期費用0円のひとつだけです。契約期間の縛りはありません。いま実際に流れている案件の件数と出演料の幅は、サービスのページに実データで出しています。